けがをして入院した場合に「控除対象」となる項目は?「差額ベッド代」や「身の回り品のレンタル代」も含まれる?

配信日: 2025.06.06

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けがをして入院した場合に「控除対象」となる項目は?「差額ベッド代」や「身の回り品のレンタル代」も含まれる?
けがや病気で入院すると、治療費だけでなくさまざまな費用がかかります。入院生活に必要なパジャマや日用品、差額ベッド代など、出費は思いのほかかさむものです。
 
こうした費用の一部は、確定申告で医療費控除として申告すれば負担を軽減できる可能性があります。そこで今回は、医療費控除の基本的な仕組みとともに、入院時にかかる費用のうちどのようなものが控除対象になるのかを解説します。
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医療費控除について

医療費控除とは、納税者本人や生計を一にする配偶者・親族のために支払った医療費が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5パーセントの金額)を超える場合、超えた金額について所得控除を受けられる制度です。所得税や、住民税の負担を軽減することができます。
 
例として年間の医療費を30万円、保険金などで支払われた金額を5万円とした場合、医療費控除の対象となる金額は次のように求められます。(総所得金額等が200万円以上の場合)
 
・医療費控除対象額:医療費30万円-保険金など5万円-10万円=15万円
 
医療費控除を受けるためには、原則として医療費を支払った翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。申告には、医療費の明細書や領収書の保管が必要ですので、日頃から整理しておくように心がけましょう。
 

医療費控除の対象になるもの

入院した場合に医療費控除の対象となる費用には、次のようなものがあげられます。
 
【治療費や入院費、通院の交通費など】
医師や歯科医師による診療や、治療にかかった費用は基本的に控除の対象です。具体的には、診察料、治療費、入院費、手術費などが該当します。また、通院のための公共交通機関の交通費も控除対象に含まれます。
 
タクシー代は通常は医療費控除の対象外ですが、やむを得ない事情(公共交通機関を利用できない場合など)がある場合は認められるケースもあるようです。
 
【医師の指示で使用した医療器具や薬品】
医師の指示により購入・使用した医療器具(松葉づえ、義足、補聴器など)や、薬局で購入した治療のための医薬品代も控除対象となります。ただし、予防や健康増進目的で購入したサプリメントや栄養ドリンクなどは対象外です。
 

医療費控除の対象外となるもの

入院中に発生する費用の中でも、差額ベッド代やパジャマ、日用品のレンタル代などは原則医療費控除の対象となりません。しかし、これらの費用はすべてが医療費控除の対象外となるわけではなく、条件によっては対象となるケースもあります。
 

差額ベッド代

差額ベッド代(個室や2人部屋など、一般病室よりもグレードの高い病室を利用した場合にかかる費用)は、原則として医療費控除の対象となりません。
 
ただし、これは本人や家族だけの都合で利用した場合に限ります。次のような事情がある場合は、控除対象として認められる可能性があります。


・医師の指示により、治療上やむを得ず個室を使用した場合
・感染症のおそれがあるなど他人との同室が困難だった場合
・医療機関側の都合で個室にしか入れなかった場合

 

テレビやパジャマなどの日用品のレンタル代

入院中に利用するテレビ・冷蔵庫・パジャマなどのレンタル代は、医療費控除の対象外です。同様に、入院中に使用するために購入した寝具や歯ブラシなどの日用品も控除対象外となります。
 

差額ベッド代や身の回りのレンタル代は対象にならない

医療費控除は、入院や通院などにかかった医療費の一部を、所得から控除して税負担を軽減できる制度です。控除対象になるかどうかは、その費用が治療のために直接必要だったのかが判断基準となります。
 
差額ベッド代やレンタル代については原則として対象外ですが、医師の指示や病院側の都合などによっては対象となることもあるようです。
 
この制度を利用する場合は、1年間の医療費をまとめて翌年に確定申告する必要があります。制度を正しく理解して、医療費控除を上手に活用しましょう。
 

出典

国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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