30歳で一人暮らしの息子は「手取り18万円」だそうです。生活できているか心配なのですが、「生活費を支援」したら「課税」されますか?
配信日: 2025.05.15

今回は、一人暮らしの平均支出や親が生活費を支援するときの注意点、子ども自身で節約をするコツなどについてご紹介します。

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一人暮らしの平均支出はいくらくらい?
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯」によると、2024年時点で単身世帯かつ勤労世帯、34歳以下の平均消費支出は月17万6160円でした。もし、手取りが18万円であればギリギリ足りる計算です。しかし、あくまでも平均支出なので、急なけがや病気などによる多額の出費があると、対応が難しくなる可能性があります。
さらに、支出が手取りの金額とほぼ変わらないため、貯金も難しいでしょう。貯金をして将来に向けた資産形成をしながら生活をしたいのであれば、本人による節約や親からの支援といった工夫が必要になります。
親が生活費を支援するときの注意点
もし、子どもの生活が不安だからと親から仕送りをする場合は、まとまった金額を一度に送らないようにしましょう。生活費が非課税となるのは、必要なタイミングで必要な金額を、目的通りに使用したときのみとされています。まとめて送ると必要な金額を超えて送っていると判断され、贈与税が課される可能性があります。
贈与税は、1年で110万円以上の財産を受け取っていると課税される税金を指します。そのため、お金をまとめて渡した場合、110万円を超えた金額に対しては課税されると考えられます。さまざまな事情で毎月お金を送れないときは、年間110万円以内になるよう送金するとよいでしょう。
収入が少ないときの節約方法
収入が支出に対して多くないときは、まず家計の状況を把握しましょう。レシートや領収書を保管しておき、家計簿や携帯のメモなどで、いくら使ったかを明らかにします。支出が明らかになったら、どの項目に特にお金を費やしているのかをチェックしましょう。多いか少ないのか分からないときは、平均値を参考にすることも方法の1つです。
総務省統計局の同資料によると、34歳以下の単身世帯かつ勤労世帯の項目別消費支出額は以下の通りです。
●食料:4万305円
●住居:3万9618円
●光熱・水道:9005円
●家具・家事用品:4512円
●被服及び履物:7693円
●保健医療:8252円
●交通・通信:1万9335円
●教育:0円
●教養娯楽:2万4112円
●その他の消費支出:2万3329円
支出項目を基に減らせる金額を減らしていきましょう。例えば、食費が平均よりも多くある場合は、外食を控えたりスーパーで安いときにまとめ買いをしたりすると節約できる可能性があります。
ただし、節約のためにと食事を抜いたり量を極端に減らしたりすることはやめましょう。体調不良の原因となり、結果として病院への通院費など余計な出費が発生するおそれがあります。
節約で支出額に余裕が出てきたときに、貯金をするとよいでしょう。少し余裕があるなら、給料日に自動で貯金用口座に積み立てられるようにしておくことがおすすめです。可能であれば、日常生活で使う用の貯金と、老後資金や結婚資金のための貯金の2口座を用意しておくと、将来のための貯金をしつつ、生活費の工面もしやすくなる可能性があります。
年間110万円以上のお金をまとめて送金すると課税される可能性がある
34歳以下の単身世帯かつ勤労世帯の平均消費支出は17万6160円でした。手取り額が毎月18万円だとすると、支出額はかろうじてまかなえるものの、あまり余裕はない状態です。
子どもの収入が生活でギリギリな場合に、親から支援したいときもあるでしょう。しかし、生活費の仕送りが非課税となるのは必要なときに、必要な金額を送った場合に限られるようです。まとまった金額を送ると、贈与税の課税対象になる可能性があるため注意しましょう。
親からの支援だけでなく、子ども自身も収支を把握して節約することで、親からの金銭的支援額を少なくできるかもしれません。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー