令和5年度末の時点で「国民年金未請求」は約5000人…! 請求漏れを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?
配信日: 2025.04.22

そこで本記事では、国民年金の未請求が発生するケースについて解説します。未請求を防ぐ方法についてもご紹介しますので、参考にしてください。

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目次
令和5年度末の「国民年金未請求」は約5000件
国民年金基金連合会の調査結果「国民年金基金・国民年金基金連合会の年金支給について(令和6年)」によると、令和5年度中に受給権が発生した件数は2万2313件、そのうち年度内に処理できた件数が1万7202件でした。
令和5年度末まで請求されなかった件数は5110件と、受給権者の約20%に該当します。
国民年金の未請求が起こるケース
国民年金が未請求になりかねない5つのケースをご紹介します。心当たりのある方は、すぐに相談しましょう。
年金の加入期間が25年未満である
年金に加入していた期間が25年に満たない場合でも、年金を受け取れる可能性があります。
例えば、結婚して専業主婦(主夫)だった期間など、「カラ期間」と呼ばれる期間と実際の加入期間とを合わせて25年以上になるケースです。1986年(昭和61年)3月以前に、会社員の配偶者として国民年金に任意加入していなかった期間などがカラ期間に該当します。
また、生まれた年によっては、加入期間が25年に満たなくても年金を受け取れる場合もあるため、自分が対象かどうか確認してみるといいでしょう。
年金の受け取り開始を66歳以降に繰り下げている
年金の受け取り開始を66歳以降に繰り下げている場合でも、70歳になったからといって自動的に支給が始まるわけではありません。
実際に年金を受け取るには、自分で年金の請求手続きを行う必要があります。繰り下げをしている方は、手続きを忘れないよう注意しましょう。
厚生年金の加入期間があり、65歳以上である
厚生年金に加入していた人が65歳以上になった場合、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2つの年金を受け取ることができます。
ただし、片方の年金しか受け取っていない方は、まだ請求していないもう一方の年金についても、あらためて請求を行う必要があります。
また、いずれかの年金について繰り下げ(受け取りを遅らせる)を選んでいる場合も、70歳までには必ず請求を行う必要があります。
厚生年金の加入期間があり、「65歳になってから年金を受け取ろう」と思っている
厚生年金に1年以上加入していた方など、一定の条件を満たしている場合は、「特別支給の老齢厚生年金」という制度により、65歳より前に年金を受け取れることがあります。
この特別支給の老齢厚生年金は、早めに請求しても年金の金額が減ることはありません。そのため、条件を満たしている方は、速やかに請求を行うことをおすすめします。
60歳以上で、会社に勤めている
60歳以上で働いている方でも、年金を受け取る条件を満たしていれば、受給の手続きをすることができます。
働いていることによって給与がある場合、年金の支給額が調整されることがありますが、全額が支給停止になる場合を除けば、年金を受け取ることは可能です。
働いているからといって年金がもらえないとは限らないので、自分が受け取れるかどうかを確認し、必要な手続きを進めることが大切です。
国民年金の未請求を防ぐためにできることは
国民年金の未請求を防ぐために、ねんきん定期便のチェックをしましょう。ねんきん定期便は、毎年誕生月に届く「自身の年金データ」です。未納期間がないか、情報に漏れや間違いがないかなど確認しておきます。
また年齢の節目を迎えたら、年金について確認する時間をとるように心がけましょう。近くの年金事務所に相談するのもおすすめです。
また、未請求が発覚した場合は、ただちに請求しましょう。年金を受け取る権利(=年金の「基本権」)は、もらえる条件を満たしてから「5年以内」に手続きをしないと、時効によって受け取れなくなる場合があります。
ただし、病気や災害など、「どうしても手続きができなかった理由」があるときは、書類で理由を申し立てることで、時効で権利が消えないようにできる場合があるようです。
国民年金の未請求は令和5年度末で約5000件。請求漏れを防ぐにはねんきん定期便のチェックを
国民年金の未請求は、令和5年度末で約5000件でした。請求漏れを防ぐには、ねんきん定期便などの情報をチェックしたり、節目の年齢で年金について考える時間をとったりすることが大事です。
もし年金の未請求に気づいたら、すぐに申請しましょう。もらえる条件を満たしてから5年以内に手続きをしないと、受け取れなくなるかもしれません。年金の申請は「自分から動く」ことがポイントとなるため、年金についての項目は忘れずにチェックしましょう。
出典
国民年金基金連合会 国民年金基金・国民年金基金連合会の年金支給について(令和6年)(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー