「年金だけじゃ足りないでしょ」と、月2万円の仕送りをしてくれる息子。「手取り25万円」らしいですが、夫婦で年金が“23万円”のため受け取っています。親に仕送りをしている人は多いのでしょうか…?

配信日: 2025.05.21

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「年金だけじゃ足りないでしょ」と、月2万円の仕送りをしてくれる息子。「手取り25万円」らしいですが、夫婦で年金が“23万円”のため受け取っています。親に仕送りをしている人は多いのでしょうか…?
年金生活で家計が厳しく、子どもからの仕送りでなんとか暮らしている人も少なくありません。ただ、物価高の中、子どもにとっても仕送りの負担は決して軽くないでしょう。
 
本記事では親に仕送りをしている人の割合や金額、2人で年金23万円の夫婦に仕送りが必要となる背景について解説します。
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親に仕送りしている人はどれくらいいる? 金額はいくらくらい?

仕送りと聞くと、「親から学生の子どもに対してならまだしも、親に仕送りしている人ってそんなにいるの?」と感じる人もいるかもしれませんが、実際には多くの家庭で行われています。
 
厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、全世帯の約2%、世帯数にすると約113万8000世帯が親への仕送りをしています。
 
さらに、「親へ仕送りをしている世帯」における1世帯あたりの平均仕送り額は月5万6000円と、決して少なくない金額です。なお、仕送り額の分布を見てみると、以下のようになっています。
 

・2万円未満:11.7%
・2万~4万円未満:29.9%
・4万~6万円未満:20.4%
・6万~8万円未満:6.1%
・8万~10万円未満:3.9%
・10万円以上:18.7%
・不詳:9.4%

 
最も多いのは「2万~4万円未満」で、子から親への仕送りのボリュームゾーンといえるでしょう。つまり、本記事のように「毎月2万円仕送りしている」というのは、少し控えめな部類に入るものの、子から親へ仕送りをする世帯の中では標準的な金額帯に収まっています。
 

夫婦で年金23万円は「標準的な年金額」

仕送りを受ける親の生活費は、仮に仕送りをもらわずに年金だけだった場合でもまかなえるものなのでしょうか?
 
日本年金機構によると、本記事の夫婦で年金23万円というのは、2025年度の夫婦2人分の標準的な厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)の月額である約23万3000円と同水準です。それでは、月額23万円で生活はできるのでしょうか。
 

「標準的な年金額」だけでは生活が厳しい場合も多い

「老後2000万円問題」でも話題になったように、年金収入だけでは生活が成り立たず、預貯金や子どもからの支援に頼らざるを得ない世帯は少なくありません。
 
総務省の「家計調査報告[家計収支編] 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職世帯夫婦の平均的な支出(消費支出+非消費支出)は約28万7000円です。
 
この金額はあくまでも平均ですし、特に住居費は居住地域や、持ち家か賃貸かによっても大きく変動します。そのため、実際にはこの金額よりも支出が多い場合もあるでしょう。
 
本記事のように年金生活で月23万円の収入のみの場合、平均的な支出では毎月5万円の赤字となってしまいます。2万円程度でも子どもからの仕送りがあると、家計の助けになるでしょう。
 

子どもに負担をかけすぎないために考えたいこと

親としては、仕送りしてもらうと助かるとはいえ、息子の生活も心配になります。息子の手取り25万円の中から毎月2万円を仕送りするのは、それなりの負担です。家賃や食費、交通費、さらには将来への貯蓄を考えると、息子の生活も決して楽ではありません。
 
そのため、息子の金銭的な負担を軽減したい場合、「お金」だけでなく、例えば「買い物の代行」や「定期的な連絡や訪問」など、ほかの形での支援をお願いする方法もあります。
 

まとめ

親に仕送りをしている人は、割合としては多くありませんが、それでも日本に100万世帯以上はいます。そして、金額2万円というのは、仕送りをしている世帯の中では多額ではありませんが、手取り25万円の子どもにとっては決して軽い負担ではありません。
 
親として感謝の気持ちを伝えつつ、ときには金銭的な負担を考慮してあげるのも良いでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査報告[家計収支編] 2024年(令和6年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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