20代で「年収500万円」ほどですが、憧れの「ベンツ」に乗りたいです。自分の年収より高い“高級車”を買うのは現実的に難しいのでしょうか？

20代の平均的な年収は200万円～300万円

そもそも20代で年収500万円は高いといえます。国税庁が行っている「民間給与実態統計調査」の令和5年分の結果では、20代前半（20歳～24歳）の平均年収が267万円であるのに対して、20代後半（25歳～29歳）の平均年収は394万円となっています。
 
前半と後半で年収は100万円近く異なりますが、いずれにしても平均年収から考えると20代で年収500万円は高いほうだといえるでしょう。
 

車の購入金額はおよそ年収の半分程度がおすすめ

車の購入金額の目安は、およそ年収の半分がおすすめといわれています。なぜなら、車を購入した場合、本体金額以外にかかる費用が多いからです。
 
例えば、ローンで購入した場合、元金にプラス金利がかかります。さらに、車にはガソリン代や自動車税のほかに、自賠責保険や任意保険、車検、駐車場代などさまざまな費用がかかることを考える必要があります。
 
そのため年収500万円の場合、250万円の車を購入するのがよいという計算になります。250万円を5年ローンで組んだ場合、元金だけでも月々の返済額は4万円程度かかります。その上で車の維持費や生活費などを考えると妥当な金額といえるでしょう。
 

ベンツはグレードによって金額はさまざま

ベンツは高級車というイメージが強いかもしれませんが、グレードによって金額は大きく変わります。メルセデス・ベンツの公式サイトによると、比較的購入しやすいAクラスセダンのA180 MP202502であれば、メーカー希望小売価格494万円で購入できます。
 
例えば、AクラスのA180 MP202502をローンを組んで購入した場合、494万円を金利2.05％の5年ローンなら、月々の支払額は8万6695円です。ベンツの中で低い金額でも、頭金がない場合やボーナス払いを使用しない場合は、少し購入が厳しいかもしれません。
 

自身の貯金額やローンを整理する

高級車を購入するときだけでなく、大きな出費やローンを組む決断をするときは、その都度自身の貯金額やすでに組んであるローンを洗い出して整理する必要があります。
 
なぜなら、購入する車が現実的かどうかを判断する必要があるからです。例えば、500万円の車でも貯金が300万円ある場合は、車を購入する際に頭金に使って、年収の半分程度の残金をローンにすれば、支払額は妥当といえるでしょう。
 
逆に、購入額が年収の半分以下の車であっても、奨学金などのそのほかのローンで支出がひっ迫していては妥当とはいえません。自身の貯蓄や負債を加味しながら、購入できるかどうかを判断するとよいでしょう。
 

将来売却する予定なら残価設定ローンもおすすめ

ベンツを購入したいけれど月々の負担を減らしたい場合、残価設定ローン、いわゆる「残クレ」の使用を検討するのもよいでしょう。ローン元金の一部を最終回の支払いまで据え置き、毎月の支払いを軽減するローンプランがあります。
 
例えば、ベンツのAクラスA180 MP202502を5年で残価設定ローンで購入した場合、月々の支払額は頭金とボーナス払いなしで6万8750円です。これなら、ローンを組んで購入するより月々の支払額を抑えられます。
 
また、そのまま乗りたい場合は、157万円の残額を支払えば買い取れます。新車に乗り換える場合は、リセールして残額を支払うこともできるので、何年か乗ってみてからその後を検討しても良いかもしれません。
 

自身の収入や支出を理解して現実的な方法を見つけ出そう

結論からいうと、年収500万円の場合、安いタイプでもほぼ年収と同じ500万円弱のベンツを買うのはおすすめではありません。ただし、認定中古車の検討や、頭金を貯めてからであれば購入は現実的になってくるでしょう。
 
また、残クレを利用する方法もあります。自身の支出や収入を理解し、生活がひっ迫しないように工夫しつつ、ベンツの購入を考えてみてください。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査－調査結果報告－
メルセデス・ベンツ日本合同会社 プライスリスト（メーカー希望小売価格2025年4月25日時点）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー