35年ローンで「5000万円」のマイホームを購入! 金利があと「1%」上がると、返済額が1000万円近く増えるって本当なのでしょうか?「0.5%→1.5%」でシミュレーション
配信日: 2025.05.22

最近、住宅ローンの「金利」がじわじわと上がってきているのをご存じでしょうか。日銀の政策金利も、今年の1月24日に0.25ポイント引き上げられ、0.5%程度とする決定がなされています。
また、第一生命経済研究所は、「日銀による半年に1度の利上げが続けば、2026年1月には政策金利が1.0%に到達する」「最終的には1.5%程度まで上昇する可能性もある」との見通しを発表しています。
金利の数字だけを見ると、「たった1%の違いじゃないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、住宅ローンは長期の返済ですので、その「たった1%」が、想像以上に家計を圧迫する未来をもたらすこともあります。
本記事では、5000万円の家を35年の住宅ローンで購入する際、金利が0.5%から1.5%に変わったことでどれくらい返済額が増えるのかシミュレーションします。

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金利が1%上がると返済額はどうなる?
今回は某大手銀行のシミュレーションツールで、返済額をシミュレーションしてみましょう。
借入希望額を5000万円、金利(年利)を0.5%、返済期間を35年、返済方法を元利均等返済にした場合の返済額は次のとおりです。(ボーナス返済はなし)
●毎月返済額:12万9792円
●総返済額:5451万2640円
●利息:約451万円
続いて、金利を1.5%とし、ほかの条件は変えずにシミュレーションした場合の返済額は次のとおりです。
●毎月返済額:15万3092円
●総返済額:6429万8640円
●利息:約1430万円
このように、金利が1.0%増えると、毎月の返済額は2万3300円、年間の返済額は27万9600円、ローン全期間での差額は978万6000円となります。
つまり、「金利が1%上がっただけで1000万円近くも負担が増える」というのが現実といえるでしょう。
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1%の差がなぜこんなに大きくなるの?
5000万円の1%は50万円なのに、なぜたった1%の差が返済金額にここまで大きな影響を及ぼすのでしょうか。
それは、住宅ローンの利息は元本に対して毎月加算されるため、返済が長期に及ぶことでわずかな金利の差が雪だるま式に大きくなるためです。
すでに固定金利で住宅ローンを契約している人であれば、金利上昇の影響は抑えられますが、これから契約する人や、変動金利で契約している人への影響は決して小さいものではないでしょう。
これからどうすれば良い?
今後、政策金利が1.5%程度まで上昇する可能性は現実味を帯びており、住宅ローン金利上昇の可能性も指摘されています。住宅ローンを組む際、「少しでも安く借りられるなら」と金利に敏感になる人は多くいますが、「上がったときにどうなるか」を見据えた計画が、より重要になってきます。
月2万円の負担増は、子どもの習い事を1つ減らす、食費やレジャー費を削るといった現実に直結する話です。また、長い目で見れば、老後資金にも影響を及ぼしかねません。
各家庭で、金利上昇のリスクを見据えた資金計画が大事だといえるでしょう。
まとめ
5000万円の住宅ローンでは、金利1%の差が総返済額で約1000万円の差に広がります。
これから住宅購入を考えている人や、すでにローンを組んでいる人も、一度自身の返済プランと金利の動向を見直してみると良いでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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