昨年ヴェルファイア「700万円」を10年ローンで購入! 今年「4000万円」のマンションを購入したいけど、年収700万円あれば大丈夫? 審査に通っても“実際の生活”は厳しいの?
配信日: 2025.04.19

本記事では、車と住宅の購入がかぶってしまい、住宅ローンが組めるのか不安になっているケースを取り上げます。年収は700万円あるので、漠然と大丈夫そうだと思っているようですが……果たして現実はどうなのでしょうか。解説します。

執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
目次
住宅ローン審査では「返済比率」が重要視される
住宅ローンが組めるかどうかは、申込先金融機関の審査に通らなければなりません。「この人に貸しても大丈夫」と判断されなければならないということです。審査基準は金融機関によってさまざまですが、多くの金融機関で重要な判断基準となるのが「返済比率」です。
返済比率とは、年収に対する借入金返済額の割合を指し、低いほうが余裕を持った返済を続けていきやすいと考えられます。基準となる返済比率は金融機関によって異なりますが、例えば、フラット35の場合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下と定められています。
なお、返済比率を算出する場合の借入金返済額には、住宅ローン以外も含まれる点に注意しましょう。車のローンや奨学金の返済、クレジットカードのリボ払いなども含まれるので、本記事のケースではヴェルファイアのローンも審査に影響するということです。
ヴェルファイア700万円のローン年間返済額は約76万円
マイカーローンを700万円、金利1.65%、返済期間10年、ボーナス払いなしで組んだ場合、年間の返済額は約76万円になります。月々では約6万3000円です。年収が700万円あれば、ここに4000万円の住宅ローンを組んでも大丈夫なものなのでしょうか。
住宅ローン4000万円の年間返済額は約158万円
次に、住宅ローンの年間返済額を計算してみましょう。借入額4000万円、金利1.94%(2025年4月におけるフラット35の最低金利)、返済期間35年、ボーナス払いなしとした場合の年間返済額は約158万円となります。
返済比率は33.4%
ヴェルファイアの年間返済額が約76万円、住宅ローンの年間返済額が約158万円なので、返済比率は(約76万円+約158万円)÷年収700万円=約33.4%となりました。フラット35の場合、年収400万円以上の人の返済比率の上限は35%となっていることから、範囲内と判断できます。
民間の金融機関の多くは、返済比率の上限を30%から40%程度に設定していることから、フラット35以外にも選択肢がある可能性が高いでしょう。
実際の生活は厳しいかも?
返済比率の面からは、ヴェルファイアのローンがあっても4000万円の住宅ローンが組める可能性は高いでしょう。ただ、現実的な金額にも目を向けておく必要があります。
年収700万円の手取りは約560万円です。そこから約234万円が借入金の返済に消えるのです。残り約326万円で、教育費や老後資金も準備できる生活ができるかもしっかりと考えておきましょう。
まとめ
ヴェルファイアのローンが700万円ある状態で、4000万円の住宅ローンを組みたい場合、年収700万円であれば審査に通る可能性はあるでしょう。ただ、年間300万円ほどで生活をしなければならないことも知っておきましょう。
「借りられる金額と返せる金額は違う」ということは、しっかり念頭に置きましょう。
出典
住宅金融支援機構 【フラット35】
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士