電気自動車の「充電代」と「ガソリン代」、1万kmを走った場合どちらがお得ですか?

配信日: 2025.06.15

この記事は約 3 分で読めます。
電気自動車の「充電代」と「ガソリン代」、1万kmを走った場合どちらがお得ですか?
近年、電気自動車(EV)への関心がますます高まっています。その背景にはガソリン価格の上昇や環境意識の高まりといった要因が挙げられますが、加えて「日々の維持費が抑えられるのでは?」と期待する方も多いのではないでしょうか。実際に同じ距離を走行した場合のコストに違いはあるのか、気になっている方も少なくないはずです。
 
この記事では、特に燃料費に注目して、電気自動車とガソリン車とでどれほどの差があるのかを見ていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

EVのほうが走行コストは安くなりやすい

車のタイプや地域、ドライバーの運転スタイルによって細かな違いは出てきますが、一般的には電気自動車のほうが1kmあたりのエネルギーコストは低くなる傾向があるようです。特に、自宅で充電できる環境が整っている場合には、年間で数万円程度の節約になる可能性もあります。

日常的に車を利用する頻度が高い方にとっては、このコストの差は想像以上に大きな意味を持つかもしれません。燃料費をできるだけ抑えたいと考えているなら、EVは検討する価値はあるといえるでしょう。
 

電気自動車の充電にかかる費用は?

電気自動車の充電方法は大きく分けて、「家庭で行う普通充電」と「外出先で利用する急速充電」の2種類があります。
 
例えば、1kWhあたり31円(税込み)で、6kWの普通充電器を使って3時間充電した場合、充電できる電力量は18kWh、料金は558円です。電費6.5km/kWhの電気自動車が、このとき走行できる距離は約117kmとなります。
 
この条件をもとに計算すると、100kmあたりの充電コストはざっと約477円です。
 
一方、急速充電を使った場合はどうでしょうか。30分の充電でおよそ13.3kWhの充電ができた場合、走行距離にすると約86.5kmに相当します。利用料金を1300円とすると、100kmあたりの費用は約1504円です。
 
このように、充電方法によってコストに差が生じるため、自分のライフスタイルに合わせて最適な充電プランを考えることが重要です。ただし、日常的に自宅で普通充電を行っている方が多いため、全体としては電気自動車のほうが燃料費を抑えられる傾向にあります。
 

ガソリン車の燃料費はどれくらいかかる?

経済産業省資源エネルギー庁「石油製品価格調査」によると、2025年6月2日時点のレギュラーガソリンの価格は、1リットルあたりおおよそ174円です。
 
例えば、燃費が12km/Lのガソリン車で100kmの距離を走りたい場合、必要なガソリンの量は約8.33リットルです。このときの燃料代を計算すると、174円×8.33リットルで、合計はおよそ1500円かかります。
 
一方、電気自動車の場合、100kmの走行にかかる充電費用は約477円でした。これらを比較すると、ガソリン車の燃費コストはおよそ3倍以上と見ていいでしょう。長距離運転が多い方にとって、この差は年間の支出にも大きく影響する可能性があります。
 

1万kmあたりの走行コストを比べてみよう

ここで、実際の数値をもとに、1kmあたりの走行コストを比較してみましょう。

●EV(自宅充電の場合):電費6.5km/kWh、100kmあたりの充電コスト 約477円→約4.77円/km
●ガソリン車:燃費12km/L、ガソリン174円/L→100kmあたりの燃料コスト 約1500円→約15.41円/km

この条件を前提に、年間1万kmを走行した場合の燃料費を試算すると、電気自動車は約4万7700円、ガソリン車は約15万円です。差額はおよそ10万2300円にのぼり、数年間乗り続ければかなりのコスト差がでるでしょう。
 
ただし、急速充電を頻繁に利用する運転スタイルであれば、電気自動車のコストもある程度上がる可能性があります。また、居住地域によって電気料金に差がある点にも注意が必要です。
 

ランニングコストではEVに優位性あり

車両本体の価格や充電設備の有無、さらには地域ごとのインフラ状況など、検討すべきポイントはいくつかありますが、日々の出費を抑えたいと考えている方にとっては、電気自動車のほうが現実的に感じられる場面も多いかもしれません。
 
燃料費の観点だけで見た場合、電気自動車のほうがコスト面で有利になるケースが多いのは事実です。特に、自宅に充電しやすい環境がある方にとっては、長期的に見て大きな節約につながる可能性があるでしょう。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集