大学1年の子に「仕送り月5万円」していますが「全然足りない」と泣きつかれました。学生の生活費ってそんなにかかるのでしょうか?
配信日: 2025.06.08 更新日: 2025.06.09

この記事では、全国平均の仕送り額や学生の生活費の実態を紹介しつつ、足りない場合の対処法や親としてできる工夫を解説します。お金の問題で親子関係がギクシャクしないよう、現実的な視点で考えてみましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
大学生の仕送り平均額は?5万円は少ない?
全国大学生活協同組合連合会(大学生協)の「第60回学生生活実態調査」によると、地方出身で一人暮らしをしている大学生への仕送り額の平均は月7万円程度です。かつてに比べると減少傾向が見られましたが、直近では横ばいから微増傾向です。
現在の平均が約7万円のため、5万円は平均よりかなり少なめです。ただし、仕送り額は地域差や家庭の収入、家賃の有無によっても異なります。
例えば実家から通っている学生は仕送りゼロも珍しくありませんし、首都圏で一人暮らしなら、家賃だけで5万円を超えることもあります。つまり、「5万円」が少ないかどうかは、子どもの住環境や家賃、家庭の状況によって異なりますが、全国平均と比べると少なめの水準です。
家賃、食費、交際費…大学生のリアルな生活費事情
同調査より、一人暮らしをしている大学生の1ヶ月の生活費の内訳を見てみましょう。
●食費
2万5880円
●家賃
5万4130円
●交通費
4330円
●教養娯楽費
1万3870円
●書籍費
1500円
●勉学費
1300円
●日常費
7520円
●電話、通信費
3320円
●その他
2710円
●貯金、繰越金
1万4250円
●合計
13万1710円
もちろん節約次第で金額は変わりますが、家賃が高い都市部ではさらに負担が増えます。つまり、仕送り5万円だけでは生活をまかなうのは難しいのが現実です。多くの学生はアルバイトや奨学金で補っています。
仕送りだけでは足りない? 学生が頼れるお金の選択肢
もし仕送りだけで生活費がまかなえない場合、大学生にはいくつかの手段があります。
・アルバイト
多くの学生が飲食店や塾講師などでバイトをしています。月に平均6万円程度を得て生活費に充てることが多いです。ただし学業との両立が大前提。夜遅くまで働きすぎると本末転倒です。
・奨学金
日本学生支援機構などが提供している奨学金制度も選択肢の一つ。返済が必要な『貸与型』もありますが、返済不要の『給付型』も拡充されています。収入や成績など条件はありますが、早めに調べておくとよいでしょう。
・学生向け支援制度
一部の大学では、家計が急変した家庭向けに支援金や授業料減免制度を設けている場合もあります。困ったときは大学の学生課などに相談を。
「全然足りない」と言われたら…親としてできることは?
子どもから「お金が足りない」と相談されたとき、まずは感情的にならず、冷静に生活費の内訳を確認することが大切です。「なんでそんなに使ってるの?」「無駄遣いしてるんじゃないの?」と責めるのではなく、実際の支出項目を一緒に整理することで、必要な金額や節約できる点が見えてきます。
また、お金のやりくりを学ぶ良い機会と捉えることも大切です。足りないからと言って全て親が補うのではなく、バイトや奨学金など自分で選択肢を考えることで、金銭感覚が養われます。
それでも生活が苦しいようであれば、一時的に仕送りを増やしたり、通信費を親が支払ったりといった部分的なサポートも検討するとよいでしょう。
お金の話は親子で一緒に考えることが大切
仕送り5万円で足りないかどうかは、子どもの生活環境や支出によって大きく異なります。まずは平均額や生活費の内訳を知り、冷静に話し合うことが大切です。アルバイトや奨学金といった手段もあることを伝え、金銭面を通じて子どもが自立できるようサポートしていきましょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー