子どもが生まれたときから貯蓄を始め、ようやく「500万円」の教育費が貯まりました。今年「小学校」に入学したのですが、これで「大学卒業」まで足りるでしょうか?
配信日: 2025.06.05

例えば今回の事例のように、子どもが生まれたときから貯蓄を始め、「500万円」まで貯まった場合、大学卒業まで足りるのでしょうか。
本記事では、子どもが幼稚園から大学卒業まで、「国公立」「私立」に通った場合の教育費、大学進学時に用意しておきたい教育費の目安についても解説します。

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目次
幼稚園から大学まで「すべて国公立」に行っても「500万円以上」の教育費が必要と考えられる
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、すべて国公立に行った場合、幼稚園から高等学校までにかかる教育費(学校教育費+学校給食費)は以下の通りとなります。
●幼稚園(公立):8万4597円×3年=25万3791円
●小学校(公立):12万158円×6年=72万948円
●中学校(公立):18万6414円×3年=55万9242円
●高等学校(全日制|公立):35万1452円×3年=105万4356円
加えて、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学でかかる教育費は、以下の通りです。
・国立大学:入学料28万2000円+(授業料53万5800円×4年)=242万5200円
幼稚園から大学まですべて国公立に通うと、501万3537円かかることになります。
「すべて私立」に行くと「1800万円以上」もの教育費がかかる可能性も
次に、幼稚園から大学まですべて私立に通った場合の教育費はどうなるでしょう。ここでは、前項と同じ資料を基に、高等学校まですべて私立に通った場合の教育費(学校教育費+学校給食費)を算出します。
●幼稚園(私立):18万9803円×3年=56万9409円
●小学校(私立):110万7684円×6年=664万6104円
●中学校(私立):113万7378円×3年=341万2134円
●高等学校(全日制|私立):76万6490円×3年=229万9470円
さらに、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」を基に、私立大学でかかる教育費を算出します。
・私立大学:入学料24万806円+(授業料95万9205円+施設設備費16万5271円+実験実習料2万8864円+その他8万3194円)×4年=518万6942円
幼稚園から大学まですべて私立に通うと、教育費が1811万4059円かかることになります。
なるべく国公立に通えれば「500万円」でも足りる可能性がある
すでに500万円貯めている方であれば、大学までをすべて国公立にした場合、何とか足りる可能性があります。しかしその一方で、これまでの解説を読んで「そんな大金用意できない」と不安になった方もいるでしょう。
あくまで大学卒業までに必要な「総額」ですので、それほど不安に感じる必要はありません。ある程度まとまった金額が必要になるまでに、教育費を準備すればよいのです。
一般的にまとまった金額が必要になるのは、大学進学時です。ひとつの目安として、大学進学時までに150万円程度、余裕をもたせるなら300万円~400万円ほど用意しておくと安心かもしれません。
また、ここまで紹介した教育費以外にも、学校外活動費も発生するでしょう。各家庭の状況や教育方針などに合わせて、無理のない範囲で計画的に貯蓄を進めることが大切です。
まとめ
教育費のひとつの目安は、まとまった額が必要となる大学進学時までに150万円程度、余裕をもって300万円~400万円程度と考えられます。早い段階から貯蓄を開始し、必要に応じて令和6年10月より拡充された「児童手当」の活用や、教育ローンなどの利用も選択肢に入れ、無理のない計画を立てましょう。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要 1 学習費総額 表1 学校種別学習費総額の推移(1ページ)
文部科学省 令和5年度私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について (参考2)国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 初年度学生納付金の調査結果概要 1.私立大学(学部)・短期大学・私立高等専門学校
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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