2人の子どもには「大学進学してほしい」と思っていますが、小学校から大学までの「教育費」はどのくらい必要ですか?
配信日: 2025.05.27

本記事では、子ども2人の世帯が小学校から大学までにかかる教育費の全体像や、教育資金の準備方法について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
教育費の総額はどのくらいかかるのか?
教育費の総額は、通う学校の公立・私立、学部などによって大きく変わります。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」と「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より試算した、1人あたりにかかる公立と私立の学費は以下のとおりです。
小学校(6年間):約200万円
中学校(3年間):約160万円
高校(3年間):約180万円
大学(4年間):約240万円
合計:約780万円
小学校(6年間):約500万円
中学校(3年間):約470万円
高校(3年間):約310万円
大学(4年間):約410万円
合計:約1690万円
上記の試算から、2人の子どもがすべて私立で進学した場合、合計で3000万円を超える教育費がかかる可能性があることが分かります。
教育費には何が含まれているのか?
教育費というと授業料のイメージが強いかもしれませんが、実際にはそれ以外にも多くの費用が発生します。
・入学金、授業料
・教材費、制服代、体操着代
・修学旅行費、遠足費用
・給食費(小中学校)
・塾や予備校の費用
・受験費用や交通費、引っ越し費用(大学進学時)
これらは家庭によっても差が出ますが、特に中学・高校からは塾代が大きな割合を占めるようになります。都市部では中高生の塾代だけで、月2~5万円以上かかる家庭も珍しくありません。
教育費のピークは「大学進学時」
最も出費が集中するのは、大学への進学時です。入学金や授業料に加え、下宿する場合は初期費用(敷金礼金、家具家電)もかかり、最初の年は100万円以上の出費が想定されます。
また、大学の受験料(1校あたり1万5000〜5万円程度)も侮れません。複数校を受験する場合、10万円以上になることもあります。進学直前になって慌てないように、早い段階から準備しておくことが重要です。
教育費を無理なく準備するには?
教育費は金額が大きいからこそ、いきなり準備するのではなく、コツコツと計画的に積み立てていくことが大切です。ここでは、無理なく備えるための方法を紹介します。
教育費の準備として、以下の3つの方法を組み合わせて進めるのが現実的です。
1. 学資保険やつみたてNISAの活用
子どもが小さいうちから始めると、満期時にまとまった資金を用意できます。特に学資保険は大学進学のタイミングに合わせて給付金が出る仕組みになっているため、使い勝手がよい制度です。
2. 奨学金制度を理解しておく
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金には、返済が不要な給付型と、卒業後に返済が必要な貸与型の2種類があります。家庭の所得状況や成績に応じて支給されるため、事前に制度の内容を調べておくと安心です。
3. 教育ローンの活用も視野に
国の教育ローン(日本政策金融公庫)は、入学前の資金準備に使える低金利ローンです。直前でどうしても資金が足りない場合の選択肢として活用できます。
教育費を抑える工夫も忘れずに
すべての教育を私立で賄う必要はありません。例えば「小中学校は公立にして、大学だけ私立にする」など、バランスを取った進学ルートを考えることで、費用は大きく変わってきます。
また、学校の成績や家庭状況に応じて学費が軽減される「高等学校等就学支援金制度」など、行政による支援制度も拡充されています。定期的に情報をチェックし、利用できる制度を積極的に活用していきましょう。
教育費は「かかる前提」で準備をしよう
子どもの教育費を心配と感じるのは当然のことです。しかし、教育費は計画的に準備することで、十分対応できます。大切なのは「後で何とかする」ではなく、「今から準備しておく」ことです。
家計の見直しや資産運用と併せて教育費もライフプランの一部として捉え、長期的な視点で備えていきましょう。子どもたちが将来、自分の選択肢を広げられるよう、家庭としてできる準備を少しずつ進めていくことが何よりの支援となります。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー