夫の収入は変わってないのに、息子の「奨学金」が打ち切りに! 原因は息子のアルバイト収入「120万円」!? 奨学金をもらい続けるための“条件”とは?
配信日: 2025.05.04


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給付奨学金が打ち止めになってしまう理由とは?
給付奨学金が打ち止めになってしまう理由は、生計維持者と学生の収入が上限額を超えてしまうケースがあるからです。
生計維持者が給付奨学金を満額もらえる収入だった場合、学生がアルバイトをして120万円の収入を得ると、家計基準を満たさない状況になる可能性があります。万一、学生が給付奨学金の支給条件を知らずに、アルバイトをして収入を増やしてしまうと、支援の額が減る可能性がある点に注意してください。
給付奨学金を利用する場合の家計基準の収入や所得の上限額の目安
給付奨学金を利用する場合、家計基準の収入や所得の上限額の目安があります。日本学生支援機構の2026年度進学予定者向け「給付貸与奨学金早わかりガイド」による、5人世帯の場合の第3区分の場合を紹介します。
奨学金を受給する学生と両親(片方が無収入の専業主婦または専業主夫)、大学生、中学生の5人世帯の家計基準の収入の上限額の目安は、第3区分だと461万円です。夫の収入が450万円の場合、学生がアルバイトをして収入が120万円稼いだとすると、第3区分の収入の目安である461万円を超え、給付奨学金の対象外となってしまいます。
給付奨学金をもらい続けるための注意点
給付奨学金は、一度奨学生として採用されたからといって、継続して奨学金制度を利用できるわけではありません。毎年支給額の見直しがあるため、見直し後に、奨学金支給の対象外になるケースも考えられます。
給付奨学金をもらい続けるためには、条件を満たし続ける必要があります。
アルバイトの収入を100万円以内にする
アルバイトの収入を100万円以内にすると、住民税が非課税になり、給付奨学金の判定に影響はありません。
注意しなければならないのは、アルバイト収入が100万円を超え、住民税が課された場合です。このケースでは、給付奨学金の判定に影響が出る場合があります。ただ、アルバイト収入が100万円超~124万円の人は、次項で解説する勤労学生控除を申請すると給付奨学金を以前と変わらずもらい続けることができます。
勤労学生控除を申請する
勤労学生控除とは、学生が勤労している場合に一定の金額の所得控除を受けられる制度です。勤労学生控除の金額は27万円です。勤労学生控除を申請するには、要件を満たす必要があります。
要件は、「勤労所得があること」や「合計所得金額が75万円以下(勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下)であること」、「大学など特定の学校の学生、生徒であること」です。
勤労学生控除を申請するには、給与所得者の場合、扶養控除等申告書に必要項目を記入して、勤務先に提出しましょう。
アルバイトで稼ぐ金額について確認しましょう
アルバイトで稼ぎすぎると、生計維持者と学生の収入が上限額を超えてしまい、給付奨学金を満額受け取りできなくなる可能性があります。アルバイトの収入を100万円以下にしたり、勤労学生控除を申請したりして、給付奨学金の対象外にならないように、事前に家族で話し合っておきましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 給付・貸与奨学金早わかりガイド
国税庁 No.1175 勤労学生控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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