かかりつけの「歯科医院」でインプラントを勧められました。かなり高額ですが「医療費控除」は受けられますか?

配信日: 2025.05.03

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かかりつけの「歯科医院」でインプラントを勧められました。かなり高額ですが「医療費控除」は受けられますか?
見た目の美しさや違和感の少なさから、入れ歯やブリッジではなくインプラントを選ぶ人もいるでしょう。しかし、インプラント費用は高額なため、保険適用や医療費控除を受けられない場合、別の治療法を選ばざるを得ないケースもあります。
 
本記事では、インプラントが保険適用や医療費控除を受けられるかどうか、医療費控除を受ける際に必要な手続きを解説します。
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「インプラント」は原則保険適用外で非常に高額な治療

インプラントとは、あごの骨にチタン製のネジを埋め込み、その上に装着する人工歯を装着する治療法です。一本あたり30万~40万円かかるといわれ、前歯は審美性が求められるため、奥歯よりも高くなるといわれます。
 
また、審美性や機能性の向上を目的にしている場合は原則として保険は適用されません。基本的に、保険の対象となるのは虫歯や歯周病など病気の治療のみです。
 
ただし、生まれつきあごの骨が3分の1以上連続して失っているか形成不全である場合や病気や事故であごの骨の大部分を失っている場合などは例外的に保険が適用されます。
 

「インプラント」は医療費控除を受けられる

インプラントは保険適用外ですが、医療費控除は受けられる可能性があるようです。
 
医療費控除とはその年の1月1日~12月31日に支払った医療費の合計額が一定を超えた場合に所得控除を受けられる制度です。本人が支払った医療費だけでなく、家計を共にする配偶者やその他の親族の医療費も合算できます。控除できる金額の計算式は以下の通りです。
 
「(実際に支払った医療費の合計額-保険金で補填される金額)-10万円(その年の総所得金額が200万円未満の人は総所得金額の5パーセント)」
 
つまり、1年間の医療費の合計が10万円以上であれば、医療費控除を受けられます。デンタルローンやクレジットカードによる支払い、通院時の交通費も控除対象です。現金以外で決済した場合、引き落とし日ではなく歯科医院で決済した日が基準となります。
 
ただし、基本的にインプラントは医療費控除の対象となりますが、審美目的の治療やぜいたくな選択治療と見なされた場合は医療費控除の対象外になる可能性があるため注意が必要です。また、分割払い・リボ払いを行った際に発生する手数料は医療費に含まれません。
 

医療費控除を受けるには「確定申告」が必要

医療費控除は年末調整で適用を受けられないため、確定申告が必要です。確定申告の期間は通常2月16日~3月15日となっているため、インプラントの治療費が発生した年から翌年の3月15日までに確定申告を済ませる必要があります。
 
しかし、確定申告期間を過ぎても過去5年以内であれば還付申告が可能であり、確定申告期間にかかわらずその年の翌年1月1日から5年間まで還付申告書を提出できるようです。例えば、2025年に発生した医療費であれば、2026年1月1日~2030年12月31日まで還付申告が可能です。
 
また、医療費控除を受ける際は、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」または「セルフメディケーション税制の明細書」を作成し、確定申告書に添付する必要があります。明細書の記入内容を確認するために税務署から領収書も併せて提示・提出が求められる場合があるため、確定申告から5年間は領収書を保管しましょう。
 

まとめ

インプラントは、審美性や機能性の向上を目的にしているため、特殊な症例を除いて保険は適用されません。一方、1年間の医療費の合計が10万円以上であれば医療費控除は受けられる可能性があります。
 
医療費控除を受ける際は、インプラントの治療費が発生した年から翌年の3月15日までに確定申告が必要です。確定申告期間を過ぎても、過去5年以内であれば還付申告ができます。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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