義父母から「孫の入学祝いに」と10万円近くするランドセルをもらいました。高価なものはお金でなくても「贈与税」がかかると聞いたのですが、申告しないとまずいでしょうか…?

配信日: 2025.06.03

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義父母から「孫の入学祝いに」と10万円近くするランドセルをもらいました。高価なものはお金でなくても「贈与税」がかかると聞いたのですが、申告しないとまずいでしょうか…?
子どもの入学祝いなどで、親族からまとまったお金をもらうことは少なくありません。また、お金ではなく、学用品をもらうこともあるでしょう。その際に気になるのは、贈与税の存在ではないでしょうか。
 
本記事では、贈与税について解説します。
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贈与税とは

自分の財産を誰かに無償で渡すことを贈与といいます。個人から贈与を受けた場合、その額や財産の使い道次第では税金を支払う必要があります。この税金が贈与税です。
 
贈与税は、贈与された翌年の2月1日から3月15日の間に、受贈者の住所を管轄する税務署に申告する必要があります。申告漏れや申告の遅れがあった場合は、加算税などのペナルティーが課せられますので注意しましょう。
 
なお、贈与の対象になるのは金銭だけではありません。土地や物件のような不動産や金融商品、車など、さまざまなものが対象になります。
 
また、贈与税は、親子間や夫婦間、祖父母から孫といった親族間の贈与も対象です。ただし、すべての贈与に対して贈与税がかかるわけではありません。贈与税にはさまざまな非課税枠が用意されているほか、課税対象にならない贈与も少なくありません。
 

贈与税がかからないケース

贈与税には基礎控除と呼ばれる非課税枠があり、控除額は年間で110万円です。つまり、年間で110万円までの贈与に対しては贈与税がかからず、申告の必要もありません。一方、年間で110万円を超えた贈与に対しては贈与税がかかります。
 
注意すべき点として、それぞれの贈与に対して110万円が控除されるのではなく、年間の贈与額の合計から110万円が控除される点が挙げられます。
 
例えば、1年間にAさんとBさんから100万円ずつ贈与された場合、それぞれが控除されて贈与税の支払いがなくなるわけではありません。合計額の200万円から控除額の110万円が引かれることになり、残りの90万円に対して贈与税がかかります。
 
ここからは、基礎控除以外にも贈与税がかからないケースについて解説します。
 

生活費や教育費の贈与

生活費や教育費など、日常生活に必要な財産の贈与であれば基本的に贈与税はかかりません。親から子はもちろん、祖父母から孫への教育費の贈与も該当します。国税庁によると、「ここでいう教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます(一部抜粋)」とされています。
 
ただし、生活費や教育費として贈与を受けていても、その財産をほかの目的に使用した場合には贈与税が課せられます。例えば、株式や不動産の購入、預金に使った場合などです。
 

教育資金の一括贈与

入学金や授業料、学用品の購入などにあたる教育資金を一括贈与する場合、1500万円までは非課税になります。ただし、学校等以外の者に支払われる金額(習い事など)に対する非課税枠は500万円とされています。
 
また、対象者は2026年の3月31日までに30歳未満であるとともに、両親や祖父母から贈与を受けた人です。なお、対象者は過去に延長措置がなされています。今後も延長されるかは不明ですが、可能性がないとは言い切れません。
 
非課税枠を利用するためには、金融機関で専用口座を開設するか、金融機関を通して税務署へ届け出る必要があります。また、贈与された財産は専用口座で管理し、利用時には金融機関へ領収書を提出することも必要です。
 

結婚や子育て資金の贈与

結婚や子育てのために親から子へ一括贈与された財産は1000万円まで非課税になります。ただし、結婚のための贈与は非課税枠が300万円です。対象者は2027年3月31日までに18歳以上50歳未満であり、両親や祖父母から財産を贈与された人です。
 
非課税枠の利用時には、金融機関で専用口座を開設したり、税務署へ届け出したりする以外にも、財産を利用した際の領収書の提出などが必要です。なお、この制度に対しても過去に適用期限が延長されています。不確定ですが、今後も延長される可能性があるかもしれません。
 

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基本的に非課税になる

ランドセルは学業に必要なものであり、一般的には教育費に該当します。そのため、基本的には贈与税がかからないといえます。また、贈与の内容に関係なく、年間で110万円以内の贈与に関しては基礎控除が適用されるため、非課税です。この場合、申告も必要ないでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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