会社から食事代の補助を受けています。「現物支給」に該当する場合、「健康保険」や「厚生年金」の額に影響しますか?

配信日: 2025.06.09

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会社から食事代の補助を受けています。「現物支給」に該当する場合、「健康保険」や「厚生年金」の額に影響しますか?
会社によっては、従業員の昼食代を福利厚生として補助しているところもあります。
 
従業員にとっては食事代の負担が軽くなるというメリットがありますが、このような補助を受けた場合、健康保険や厚生年金の額に影響することはないのか疑問に思う人もいるかもしれません。
 
本記事では、食事代の補助が現物支給に該当するかどうかを、条件とともにご紹介します。
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「給与所得」に含まれるもの

会社から食事代の補助を受けることが「給与所得」に含まれるのかどうかを確認するために、どのようなものが給与所得となるのかをご紹介します。
 
国税庁によると、給与所得とは「使用人や役員に支払う俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得」のことをいいます。休日出勤手当や残業手当、住宅手当なども給与所得に含まれますが、一定金額以下の通勤手当や宿直手当、出張などの旅費のうち通常必要と認められるものなどは非課税になるということです。
 
このほか、金銭ではなく現物支給による経済的利益をもって「給与」とすることもあります。例えば、物品や金銭などの資産を無償、または低い金額で譲渡した場合や、個人的債務を免除または負担した場合に得られる経済的利益を、現物給与とすることがあります。
 

食事代の補助は健康保険や厚生年金の額に影響する?

今回の事例では「会社から食事代の補助を受けている場合、健康保険や厚生年金の額に影響するのか? 」ということなので、確認してみましょう。
 
食事代の補助が給与とみなされ、税金や社会保険料に影響を与えるかどうかは、支給方法や条件によると考えられます。
 
例えば、食事代の補助が「食事手当」などとして給与明細に記載されている場合は、所得税や住民税の課税対象となるため、健康保険や厚生年金を算定する際にも影響を及ぼすことになるでしょう。
 
一方、仕出し弁当や食事券などのように現物で支給される場合は、給与とはみなされず課税対象にならないケースもあるようです。国税庁によると、以下の要件を両方とも満たしている場合は、給与として課税されないということです。

●役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること
●「食事の価額-役員や使用人が負担している金額」が1ヶ月当たり3500円以下であること

上記の要件を満たさない場合は給与として課税対象となる可能性があるため、健康保険や厚生年金の額にも影響することになるでしょう。
 

食事代の補助以外の「現物支給」の取り扱いは?

食事代の補助以外の現物支給についても、特別な取り扱いが定められているものがあるようです。国税庁の資料を基に見ていきましょう。

●制服などの支給:職務の性質上着用しなければならない人に対して支給、または貸与する制服や作業服などについては、課税されない
●有価証券の支給:有価証券の価額の多少にかかわらず、全て給与所得とされる
●通勤用定期乗車券の支給:原則として、1ヶ月当たりの合理的な運賃等の額で最高15万円までの部分については、課税されない

勤めている会社で上記のような現物支給を受けていることがあれば、取り扱いについて確認してみるとよいでしょう。
 

支給方法や条件によっては税金や社会保険料の額に影響することもある

会社から食事代の補助を受けている場合、その支給方法や条件によっては税金や社会保険料の額に影響することもあるようです。
 
例えば、仕出し弁当や食事券などのように現物で支給される場合は、一定の要件を満たしていれば給与として課税されないため、健康保険や厚生年金の額には影響しないと考えてよいでしょう。
 
現物支給に関しては特別な取り扱いが定められているものもあるため、食事代以外にもチェックしておくことをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.2508 給与所得となるもの
国税庁 No.2594 食事を支給したとき
国税庁 令和7年版 源泉徴収のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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