「トイレの電気代なんて微々たるもの」と思っていたら…「換気扇・照明・便座」の見直しで年間7000円も節約できるって本当ですか?
配信日: 2025.06.10

今回は、トイレの「電気代の見直し」による節電効果をご紹介します。

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目次
意外と見落としがちな「トイレの電気代」…どこで消費している?
トイレで電気を使っているのは、主に以下の3つの設備です。
・換気扇
・照明
・便座(暖房・温水洗浄機能)
それぞれの消費電力を具体的に把握することで、節約効果が見えてきます。電気代は以下の式で計算できます。
電気代(円)=消費電力(W) ÷ 1000 × 使用時間(h) × 電気料金単価(円/kWh)
なお、電気料金単価の目安は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている「31円/kWh」を使用します。
「換気扇」の見直しで年間約2000円の節約に
トイレの換気扇は常時稼働していることが多く、消費電力が小さいとはいえ、積み重なれば負担になります。
最新省エネタイプなら、24時間つけっぱなしでも消費電力は3W程度となります。24時間×365日稼働させた場合、電気代は以下のように計算できます。
3W ÷ 1000 × 24h × 365日 × 31円 =約 815円/年
一方、古い換気扇で10Wの消費電力がある場合、同条件での年間電気代は約2716円になります。差額は約1900円ほどです。省エネ換気扇に交換するだけで年間2000円近く節約できる可能性があります。
照明をLED+センサー付きにすれば約1500円節約も
白熱電球からLED電球に交換することで、大幅な電気代削減が期待できるでしょう。特に、トイレなどでは古い白熱電球が残っているケースもまだ多く、この機会にLED化を検討するのも一つの方法です。
経済産業省 資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2024」によると、消費電力54Wの白熱電球を1日8時間使用した場合の年間電気代は以下の通りです。
54W ÷ 1000 × 8h × 365日 × 31円 = 約4888円/年
同じ条件で、9WのLED電球の場合は、以下の計算となります。
9W ÷ 1000 × 8h × 365日 × 31円 = 約815円/年
白熱電球とLED電球の差額は約4073円となります。
トイレの場合、家庭によっては点灯時間が1日8時間に満たない場合もあります。例えば、1日3時間程度の使用なら、同じ計算式で「約1527円」の節電が見込めるでしょう。そのため、点灯時間が短いご家庭でも、LED化による効果は期待できるでしょう。
便座の使い方を工夫するだけで年間3000円以上の節約も
温水洗浄便座には主に「貯湯式」と「瞬間式」の2タイプがあり、電気代に明確な差があります。同資料によると、年間消費電力の目安は次の通りです。
・貯湯式:160kWh/年
・瞬間式:90kWh/年
これを基に24時間つけっぱなしと仮定して計算すると、貯湯式は約4960円/年(160×31円)、瞬間式は約2790円/年(90×31円)となり、1年間で約2170円の差が生まれる計算になります。
とはいえ、「便座の買い替えまではちょっと……」という方も多いでしょう。そんなときは、今すぐできる節約行動を取り入れてみるのがおすすめです。
例えば、便座のフタをしっかり閉めるだけでも、保温ロスを防げて年間約940円の節約になります。また、暖房温度を1段階下げることで約710円の電気代カットも期待できます。
さらに、外出や就寝時には切タイマーの活用や節電モードの設定なども効果的です。こうした小さな積み重ねで、買い替えをしなくても年間2000〜3000円の節約が見込めるでしょう。
トイレを見直すだけで年間約5000円の節約が実現できることも
例えば、古い換気扇を省エネ型に替えると「約1900円」、白熱電球をLEDに交換すると「約1500円」、便座のフタを閉めたり温度を下げたりする工夫で「2000円程度」の節電が見込めます。
これらを合計すれば、年間で約5000円の節約が可能になるかもしれません。節電効果はご家庭の使用状況によって差がありますが、無理のない範囲での見直しでも家計にやさしい結果につながることもあるでしょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2024年版
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー