備蓄米が手に入らないので、結局「5キロ4000円」のお米を買ってきました。「パックご飯をまとめ買い」するほうが安く済んだのでしょうか?

配信日: 2025.06.10

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備蓄米が手に入らないので、結局「5キロ4000円」のお米を買ってきました。「パックご飯をまとめ買い」するほうが安く済んだのでしょうか?
政府による備蓄米の市場放出が始まったとはいえ、地域やタイミングによっては、まだ手に入らないという状況もあるようです。
 
やむを得ず、店頭で5キロ4000円のお米を購入したものの、「もしかして、パックご飯のほうが安く済んだのでは?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
 
今回は、お米とパックご飯、それぞれの1食あたりのコストを比較し、節約の観点からどちらがお得かを検証します。
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5キロ4000円のお米。1食あたりのコストは……?

5キロ(5000g)のお米は、1合=150g換算で約33.3合に相当します。生米1合は炊飯後に約2.2倍にふくらみ、330gほどのご飯になります。茶碗1杯分は約150gとすると、1合で約2.2杯分です。
 

■【お米代】

お米5キロを4,000円で購入した場合、1合あたりの価格は以下のとおりです。
 
4000円 ÷ 33合 = 約121円/合
 
これで茶碗約2.2杯分のご飯が炊けるため、1杯あたり約55円になります。
 

■【電気代(炊飯)】

IH炊飯器(5.5合炊き)の炊飯に必要な電力量を約0.16kWhとして、電気代単価を31円/kWhとすると、電気代は以下の通りです。
 
0.16 × 31 =約5円/1回炊飯あたり
 
また、5.5合炊いた場合の1合あたりの電気代は、
 
5円 ÷ 5.5合 = 約0.91円/合
 
これを1合で炊ける2.2杯に割り当てると、 1杯あたり約0.41円です。したがって、お米代55円+電気代0.41円=1杯あたり約55.4円となります。
 

パックご飯の価格と内容量

続いてパックご飯のコストを見ていきましょう。
 

■【ご飯代】

市販されているパックご飯は、180g〜200g入りが主流です。販売価格は1パック150円〜258円程度ですが、ここでは200g入りで180円と仮定します。
 
茶碗1杯分を150gとすると、200gは約1.33杯分となり、1杯あたりのコストは以下の通りです。
 
180円 ÷ 1.33 = 約135.3円/杯
 

■【電気代(レンジ加熱)】

パックご飯は電子レンジで温めて食べるのが一般的です。600W設定で使用しても、実際には約1200Wの電力を消費します。
 
1,200W ÷ 1,000 × 2分(=2/60時間)× 31円 =約1.24円
 
したがって、ご飯代135.3円+電気代1.24円=1杯あたり約136.5円となります。
 

炊き立てのご飯とパックご飯、どちらが安い?

それぞれのご飯1杯あたりのコストをまとめると以下の通りです。

●自宅で炊いたご飯:約56円/杯
●パックご飯:約137円/杯

コスト面では、パックご飯は炊飯の約2.4倍に相当します。安いお米が手に入らないとしても、頻繁に食べる家庭では、炊いて食べるほうが節約効果は高いといえるでしょう。
 
さらに、まとめ炊きをして冷凍保存するなどの工夫をすれば、電子レンジで温めるだけになり、手間とコストの両方を抑えることが可能です。
 

節約したいなら「炊く」ほうがお得。でもパックご飯にも価値あり

節約を重視するなら、やはり「炊いて食べる」ほうがコストパフォーマンスに優れています。特に家族世帯や、ご飯を1日2~3回食べる方にとっては、1食あたり数十円の差が1ヶ月、1年で大きな節約につながるでしょう。
 
一方、パックご飯には「手軽さ」「保存のしやすさ」「いつでも食べられる安心感」というメリットがあります。忙しい日や体調を崩したとき、また非常用備蓄としても、一定数をストックしておく価値は十分あります。
 
今回の比較は一定条件に基づいた試算ですが、食材価格や電気料金は変動するため、あくまで目安として参考にしてみてください。
 
食費が気になる今だからこそ、ご家庭のライフスタイルに合った「主食の選び方」を見直してみるのも一つの方法でしょう。
 

出典

公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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