40代夫婦二人暮らしです。ローンの返済もあり今の貯蓄は「500万円」なのですが、50代にしては少ないですか?
配信日: 2025.06.09

そこで本記事では、夫婦二人世帯における貯蓄額やその内訳について、統計データを基にご紹介します。また、負債の有無や金額についても解説しますので、今後の家計管理や資産形成の参考にしてください。

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二人世帯の貯蓄額や内訳
総務省が公表した令和5年「家計調査報告(貯蓄・負債編)」を基に、二人以上の世帯の平均貯蓄額や内訳について解説します。
二人以上の世帯の貯蓄額
総務省のが公表している「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、二人以上の世帯における1世帯あたりの平均貯蓄額(貯蓄現在高)は1904万円でした。これは前年より3万円(0.2%)増加しており、5年連続で増加しています。
このうち勤労者世帯は1474万円で、前年と比べ34万円(2.3%)の減少となっています。また、二人以上の世帯の貯蓄保有世帯の中央値は1107万円でした。2人以上の世帯の貯蓄保有額と世帯割合を表1にまとめました。
表1
貯蓄額 | 世帯割合 |
---|---|
100万円未満 | 10.0% |
100万円~200万円未満 | 5.5% |
200万円~300万円未満 | 4.9% |
300万円~400万円未満 | 5.4% |
400万円~500万円未満 | 4.3% |
500万円~600万円未満 | 4.9% |
600万円~700万円未満 | 3.6% |
700万円~800万円未満 | 3.4% |
800万円~900万円未満 | 3.1% |
900万円~1000万円未満 | 3.0% |
1000万円~1200万円未満 | 6.0% |
1200万円~1400万円未満 | 4.3% |
1400万円~1600万円未満 | 4.1% |
1600万円~1800万円未満 | 3.5% |
1800万円~2000万円未満 | 2.9% |
出典:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」を基に筆者作成
二人以上の世帯の貯蓄額を金額の階級ごとに見てみると、平均貯蓄額(1904万円)に届かない世帯が全体の約3分の2(67.4%)を占めています。
また、金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によると、令和5年における40代(世帯主)の金融資産保有額の平均は889万円、中央値は220万円となっています。平均と中央値の間には大きな差があり、一部の高額資産保有世帯が平均額を押し上げていると考えられます。
このような調査結果から、500万円の貯蓄額は比較的高い水準にあるといえるでしょう。
貯蓄方法の内訳
総務省の同資料によると、令和5年の貯蓄の種類別構成比(二人以上の世帯)では、通貨性預貯金が34.7%、定期性預貯金が28.2%、生命保険などが18.5%という結果でした。
なお、通貨性預貯金とは、自由に出し入れができる預金(普通預金など)を指します。定期性預貯金のように預入期間が決まっているものとは異なり、いつでも使えるお金としての役割が大きいため、構成比が最も高くなっています。
とはいえ、貯蓄の方法は家庭によってさまざまでしょう。生活スタイルに合わせた家計管理や貯蓄方法を実践してください。
二人以上の世帯の平均負債額
二人以上の世帯のうち、負債を抱えている世帯は約4割(39.3%)にのぼります。さらに、その負債保有世帯の約6割(55.3%)が、平均負債額(1667万円)を下回っています。
負債の内訳を見ると、その91.8%は住宅や土地購入のためのローンです。この住宅・土地関連の平均負債額は601万円で、前年より75万円(14.3%)増加しています。
また、金融広報中央委員会の同調査結果によると、令和5年における40代(世帯主)の借入金残高の平均は2037万円、中央値は1600万円となっており、こちらも負債額の高さがうかがえます。
貯蓄額500万円は平均値を大幅に下回るが、少ないわけではない。引き続き貯蓄をすることが望ましい
二人以上の世帯の平均貯蓄額は1904万円ですが、約3分の2の世帯はこの金額に届いていません。また、世帯主が40代の金融資産保有額の中央値は220万円でした。よって、500万円の貯蓄も少なくはない水準でしょう。
また、住宅ローンなどの負債がある世帯も多いため、自分たちの状況に合わせた家計管理と、将来に向けた無理のない貯蓄計画が大切です。
出典
総務省 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)(1~3ページ)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯調査 令和5年 表番号4、 29
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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