20代「年収300万円」の会社員。「千葉の実家→新宿の職場」まで“片道1時間以上”の通勤がつらい!「月収20万円」ほどだけど、新宿付近で1人暮らしは難しいですか? 生活費をシミュレーション
配信日: 2025.05.11

そんななかで「職場近くに住めば通勤がラクになるのに」と思うのはごく自然なことです。とはいえこれまで実家暮らしだった人が一人暮らしを始めるとなると、今の給料でやっていけるかどうかが気になります。とくに新宿の職場近くとなると家賃が気になるところです。
そこで本記事では、新宿付近での一人暮らしにかかる費用をシミュレーションしてみます。

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年収300万円の人の手取り額は月額約20万6000円
最初に確認しておきたいのは、実際に使えるお金、つまり「手取り額」です。年収300万円の場合、ボーナスを考慮せずに12ヶ月で割ると毎月の給与は25万円です。住民税や所得税、社会保険料などを差し引いた手取りはおおよそ20万6000円になります。
このなかから家賃や食費、光熱費など、全ての生活費をまかなっていく必要があります。毎月入ってくる収入の範囲でやりくりするには、まず固定費を見直し、変動費の管理にも気を配ることが大切です。
とくに一人暮らしでは「家賃」「食費」「光熱費」が大きな支出項目となるため、それぞれにどのくらいの金額をあてられるか、あらかじめ目安を立てておくと安心です。日用品や交際費、医療費なども意外と出費がかさむため、月々の支出のバランスを見ながら調整していく必要があるでしょう。
一人暮らしに必要な生活費は平均約14万6000円。ただし家賃は別途
総務省統計局が実施した家計調査報告によると、2024年の単身世帯の消費支出は、住居費を除くと約14万6000円です。
図表1
総務省統計局 家計調査報告 消費支出の費目別対前年実質増減率(単身世帯)より筆者作成
月の手取り約20万6000円から生活費約14万6000円を引くと、残りは約6万円です。
ところが、新宿区内でワンルームを借りるとなると平均家賃は11万円になります。これではとうてい新宿区内で一人暮らしはできません。ただし築年数が古い物件や駅から10分ほど歩く物件、風呂・トイレ共有の物件のなかには家賃が3~4万円台のものもあるようです。
少し範囲を広げて、新宿まで30分以内のエリアを探してみるのもいいでしょう。例えば新宿から山手線で10分弱の池袋には、駅から徒歩15分以内で築10年以内の風呂・トイレ別、エアコン付きの物件が5~6万円台でいくつか見つかります。バス・トイレは別でなくてもいいなど条件を緩めれば選択肢は広がるでしょう。
このように、家賃の相場は立地や建物の条件によって大きく異なります。「どの条件を優先するか」を考えることで、無理のない範囲で物件選びができるかもしれません。多少の妥協が必要になるかもしれませんが、選択肢を広げることで現実的なラインが見えてくるでしょう。
年収300万円で新宿近くでの一人暮らしは節約がポイント
ただ、家賃を6万円で抑えることができたとしても、単身世帯の消費支出平均である約14万6000円と合わせると月の支出が約20万6000円となり、手取り収入の約20万6000円と同額です。これでは貯蓄ができないどころか、急な出費が発生するとたちまち赤字になってしまいます。
家賃を抑えるのと同時に、スマホは格安SIMを利用して通信費を抑える、なるべく自炊をして食費を浮かせるなど家賃以外の生活費を節約する努力も必要になります。勤務先の規定にもよりますが、通勤時間が短縮できた分、空いた時間を副業にあてて収入を補うという選択肢もありますね。
また、一人暮らしは金銭面だけでなく家事や生活の全てを自分で担うという精神的・時間的な負担も伴います。これらの負担と「通勤時間の短縮」というメリットを比較したうえで、引き続き実家から通うのか、一人暮らしにトライするのか、じっくり考えてみてください。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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