何かと話題のNISA。23歳で年収350万円の社会人が、老後のために今から毎月2万円で始めるなら、iDeCoとNISAのどっちを選ぶべき?

配信日: 2025.05.07

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何かと話題のNISA。23歳で年収350万円の社会人が、老後のために今から毎月2万円で始めるなら、iDeCoとNISAのどっちを選ぶべき?
NISAは現在、資産形成の手段として、注目を集めています。一方で、節税効果が魅力のiDeCoも、老後資金を貯める手段として有効です。では、もし23歳で年収350万円の社会人が、毎月2万円を積み立てるなら、どちらを選ぶべきでしょうか。
 
この記事では、NISAとiDeCoの特徴やメリット・デメリットを比較し、毎月積み立てていく2万円が将来どう変化していくのかを解説します。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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NISAとiDeCo、それぞれの概要

まずはNISAとiDeCo、両者の概要から見ていきましょう。
 
NISAは元本ベースで年間360万円(つみたて投資枠と成長投資枠の合計)、かつ、累計で1800万円(うち成長投資枠は1200万円)までの投資から得られる利益が、非課税となる制度です。
 
投資対象は、投資信託を中心とした一定の金融商品です。非課税保有期間は無期限かつ途中で引き出すことも可能である点が強みで、老後資金や結婚資金、子どもの学費など、幅広く利用できます。
 
一方、iDeCoは老後に特化した制度です。運用してきたお金は原則60歳以降にしか受け取れませんが、拠出時と運用時、そして受取時の3つのタイミングで、節税効果を受けられます。なお、拠出可能額は職業などにより月額上限が決まっています。参考までに、最低拠出額は月額5000円、上限は6万8000円になります。
 

試算するとどれくらいになる?

では、23歳から老後のために、毎月2万円を拠出して運用を続けるとどれくらいの金額になるのか、試算してみましょう。
 
いったん下記のように条件を定めます。

●23歳から65歳までの42年間、毎月2万円拠出
●運用益は3%を見込む
●年収350万円
●企業年金には加入していない

上記条件で、まずはNISAから計算してみます。
 
金融庁の「つみたてシミュレーター」によると、運用益と元本の合計はおよそ2016万円になるようです。元本部分は1008万円なので、ほぼ2倍になります。
 
それに対してiDeCoもおよそ2016万円となり、運用益と元本の額は、NISAとほぼ同じです。しかし、iDeCoには節税効果があり、積立時の節税額は42年間でおよそ151万円となります。そのため実質的な元利合計額は、2167万円ほどになります。
 
ただし、iDeCoは受け取り方法によって、退職所得、ないしは年金の形で他の所得と合算して課税される可能性もあるため、注意が必要です。とはいえ、年金を平均額以上に受け取れる場合や、退職金を多くもらった場合などの例外を除き、基本的には課税を気にする必要はないでしょう。
 

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どちらを選ぶべきか

では、NISAとiDeCoと、どちらを選ぶべきでしょうか。
 
この点に関していうと、どちらを選んでも間違いではありません。強いていうならば、柔軟性を重視するかどうかで選ぶとよいでしょう。まだ23歳であれば、iDeCoのお金が受け取れる年齢まで40年近くあります。病気や結婚、子育てなどで突発的にまとまったお金が必要となる可能性があることを考慮すると、NISAに軍配が上がります。
 
一方で、途中でまとまったお金が必要になる場合に備えて保険に加入したり、貯金で賄えるように備えたりしていて、節税を重視するのであれば、iDeCoでよいでしょう。
 
ただし、個別の事情によって結論は異なるので、どちらを選ぶかは慎重に判断してください。
 

まとめ

23歳で年収350万円の社会人が、老後に向けて毎月2万円備えるのであれば、iDeCoとNISAのどちらを選んでも間違いではありませんが、それぞれの特徴が異なります。例えば現金化の有無に注目すると、NISAは途中で現金化が可能で、老後資金以外にも都度使うことができます。一方のiDeCoは、老後まで積み立てたお金を引き出せません。
 
考え方は個人次第ですが、一例として流動性を重視するならNISAを、老後をより重視し、それまでのお金は別と割り切った考えをするならばiDeCoにしてみるとよいかもしれません。
 

出典

金融庁 つみたてシミュレーター
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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